測定のあと、施術はどう設計するのか

肌を正確に測るだけでは十分ではありません。INSKINVIEWが測定結果を施術プランに置き換えていくプロセスと、複数の皮膚科の院長先生方の判断でそのプロセスを磨いている方法についての記録です。

測定のあと、施術はどう設計するのか

これまでこのブログでは、主に「どうすれば正確に測れるか」についてお話ししてきました。けれども、測定は出発点にすぎません。しわが62点だと分かったら、次の疑問は自然とこうなるでしょう。「では、何をすればいいのか?」以前、施術選びには唯一の正解はないとお伝えしました。正解はなくても、設計の原理はあります。今回は、INSKINVIEWが測定結果を施術プランに置き換えていくプロセスをご紹介します。

ステップ1:何がいちばんの悩みかを決めます

スコアそのものより大切なのは、「どれくらい悩みなのか」です。同じ60点でも、25歳と55歳では意味が違うからです。そこでINSKINVIEWは、同年代と比べた位置と、一般的な基準での状態をあわせて考慮し、スコアを「深刻度」に置き換えます。そして6つの軸のうち、深刻度が一定の水準を超え、実際に施術で対応できる軸を、深刻な順に悩みの軸として選びます。

軸の中の細かな指標まで見ています。同じしわでも、おでこなのか、目元なのか、ほうれい線なのかによって、合う施術が違うからです。

ステップ2:合わない施術を先に除外します

提案は「足し算」より「引き算」から始まります。施術にはそれぞれ主に狙う指標があり、その指標が実際に悪いときにだけ候補に入ります。ハリが十分な人にリフトアップ施術を、色素がほとんどない人に色素レーザーをおすすめしない、といった具合です。

年齢もあわせて見ます。たとえば10代の方には、一部の施術を除いて提案しません。

ステップ3:残った候補から、自分の肌に最も合うものを選びます

INSKINVIEWは施術を分類し、分類ごとにどの指標にどの程度作用するかを整理しています。以前の記事でお話しした「肌の深さ」とつながる部分です。表面のキメに働きかける施術もあれば、深い層の支えに働きかける施術もあります。自分の悩みの指標と施術の作用がどれだけ重なるかを計算し、適合度の高い施術を選びます。

用量も同じ原理で決めます。同じ施術でも深刻度に応じて強さを段階的に変え、軽い悩みには低い段階から提案します。ただし用量は断定せず、推奨範囲としてお見せします。最終的な用量は診療の現場で調整するのが適切だからです。

ステップ4:何を優先するかはお客様が選びます

施術の決定には、肌の状態だけでなくお客様の好みも関わります。そのため、同じ測定結果からでも基準を変えて選べるようにしました。

基準設計の考え方
全般複数の悩みの軸をバランスよくカバー
集中最も深刻な悩みひとつに集中
コスパ費用対効果を優先
痛み最小痛みの少ない施術を中心に
ダウンタイム最小回復期間の短い施術を中心に

最後に、実際の臨床現場での使用頻度を考慮して、具体的な製品名をお見せします。

すでに検討中のプランもチェックします

逆方向のケースもあります。カウンセリングですでに施術を提案された場合や、ご自身で受けてみたい施術がある場合です。INSKINVIEWに検討中の施術と用量・回数を入力すると、そのプランを今の肌の状態に照らしてチェックします。

  • 施術ごとに:今の肌の状態に合っているか、用量・回数が必要より多すぎたり少なすぎたりしないか
  • プラン全体で:深刻な悩みから順に対応しているか、より大きな悩みが抜けていないか
  • 抜けている悩みがあれば:その悩みに対応できるほかの選択肢

ここには大切な原則がひとつあります。すべての悩みに一度に対応しなくてもよい、ということです。予算や時間に合わせて一部だけ受けるプランでも、深刻な悩みから順に対応していれば、良いプランと考えます。提案とチェックは同じ基準で動いているので、提案されたプランをそのまま入力すれば、同じ結論になります。

チェックの結果は、医師の判断に代わるものではありません。カウンセリングで何を質問するかを整理するために使っていただくのがおすすめです。

複数の院長先生の判断で磨いています

ロジックがもっともらしく見えても、それで終わりではありません。私たちは、実際の顔写真とスコア、そしてそれに対する提案結果を、皮膚科専門医がひとつひとつ「適切・普通・不適切」で評価する方法で、ロジックを検証してきました。不適切な場合は、施術の選択そのものが間違っていたのか、用量が多すぎたのか少なすぎたのかまで分けて見ています。

そして現在は、複数の皮膚科の院長先生方に同じ方法で評価をいただいています。以前、ひとりの医師のデータだけで学習すると、その医師のスタイルをなぞるだけになるとお伝えしました。複数の院長先生の判断が積み重なると、どの提案には意見が集まり、どの提案では意見が分かれるのかが見えてきます。意見が集まるところはより確かに、分かれるところはより多様な選択肢へ。院長先生方の知見をいただきながら、提案をより多様に、より精緻にしています。

測定が決定になるまで

まとめると、INSKINVIEWの施術提案は、悩みを決め、合わないものを除外し、よく合うものを選び、最後にお客様のご意見まで反映します。すでに検討中のプランがあれば、同じ基準でチェックすることもできます。それでもこれは、カウンセリングに代わる答えではなく、カウンセリングを始めるための出発点です。自分の肌で何がいちばんの悩みで、どんな選択肢があるのかを知ったうえで診察室に入ること。測定が決定へとつながる方法は、そうあるべきだと私たちは考えています。